【事例】X所有の樹木がY所有の土地に倒れかかった。※自然現象によるとする。
当該事案において、互いに物権的請求をすることができる。※なお、物権的請求は物権侵害の時日さえ存在すればよく、故意過失は問われず、意思無能力でさえよい。
X→Y 返還請求権
Y→X 妨害排除請求権
これらは先に請求した方が効力がある。そして、費用について問題が生じる。学説は主に下記に別れる。
①認容請求権説
相手に事をなすこと認容してもらうと考え、上記返還請求の場合はXがYの土地に入り返還させてもらうので費用はXもちとなる。
また、修正説として、相手方に故意過失がある場合は相手もちと考える場合がある。
②行為請求権説
相手に行為を請求することが物権的請求権の本質と考え、上記例において、返還請求されたYが費用をもつことになる。
なお、修正説として、自然災害などでは例外的に認容説をとり、請求した側が費用をもつ。
上記二説を考慮すると、通説である行為請求権説における、修正説が妥当と考えられる。
判例も行為請求権説の立場をとる。ぼう論で認容請求権説がとられることもある。