法律資格勉強アーカイブ★行政書士・司法書士

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民法

【民法】権利外観法理

その外形を信じて取引に入った第三者を保護する法理である。 本来的に法は真の権利者を保護する(静的安全)。しかし、取引の度に真の権利者が誰であるかを調べるのは容易ではないため、一定の場合において、外形を信じて取引に入った第三者を保護する場合があ…

【民法】法人について③

【自然人と法人】 自然人は生まれながらに権利能力を有して、死亡によりそれが消滅する。なお、全部露出説をとる。したがって、原則的に胎児には権利能力はない。 一方で法人は定款の範囲において権利義務の主体となる。もちろん、性質により享有できない権…

【民法】制限行為能力者と受領や承認

〈債務の承認と制限行為能力者〉 消滅時効において、債務を承認すると時効は更新する。また、原則論として債務の承認は制限行為能力の影響を受けないものではある。 しかし、未成年や成年被後見人についてはそもそも財産管理権そのものがないため、債務の承…

【民法】制限行為能力者と債務の承認

債務の承認をするためには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。 (民法152条2項) そもそも債務の承認は観念の通知である。すなわち、法律行為の一部である意思表示ではないため、法律行為を単…

【民法】無権代理

無権代理である場合の保護と責任について、利害関係者ができること、しなければならないことを下記する。 本人 追認するか追認拒絶するかを選択できる。 相手方 ①無権代理につき善意 本人に相当な期間を定めて追認するか追認拒絶するかを催告できる。返答が…

【民法】法人について②

法人とは法律の規定を満たすことによりその目的の範囲(定款にて定める)で権利義務の主体となる団体である。もちろん、権利はその性質上可能なものに限る(性質説 例えば選挙権は法人には認められない)。 法人を集まりとみると、 ①ある目的のために人が集まっ…

【民法】登記請求権

不動産に物権変動が生じると、登記請求権と登記引取請求権が生じる。例えば譲渡契約であれば、譲受者に登記請求権が、譲渡者に登記引受請求権が生じるのである。 登記請求権には三種類がある。 ①物権的登記請求権 所有権などの権原に基づいてする登記請求権…

【民法】認容請求権説と行為請求権説

【事例】X所有の樹木がY所有の土地に倒れかかった。※自然現象によるとする。 当該事案において、互いに物権的請求をすることができる。※なお、物権的請求は物権侵害の時日さえ存在すればよく、故意過失は問われず、意思無能力でさえよい。 X→Y 返還請求権 Y→…

【民法】物権的請求と不法占拠者

【事例】 ある土地の所有者Aは土地の名義は別人登記となっている。ある時、その土地の上にBが無断で建物を建て、自らの意思で登記をした。 その後、BはCに建物を譲り渡したが、登記はそのままである。 ①Aは登記なくして物権的請求をすることができるか。 →不…

【民法】公示の原則と公信の原則

物権の設定及び移転は意思表示においてのみ効力を生ずるので必ずしも公示と状況が一致するとは限らない。したがって、民法上制度としてはそのことを前提として公示と公信の原則を設けている。 その役割は一般に「公示されていない権利は存在していない」とい…

【民法】不動産と動産と立木

土地及びその定着物は不動産とされる。 したがって、建物も立木も不動産である。不動産(土地と建物)は登記することができ、動産は登記できない。 立木は基本的に土地の従物であるが、明認することにより、所有権を表示できる(柵と立て札など)。なお、立木の…

【民法】共有の三形態

広義の共有には講学上、3つ形態がある。 ①総有 ②合有 ③共有 総有は権利能力なき社団における広義の共有形態であり、メンバー全員に所有が帰属し、原則として不可分であるため、権利能力なき社団が精算されなければ残余財産などが分与されない。 合有は組合…

【民法】法人について

法人は法の定めにより権利能力を付与された社団である。まず、社団についてまとめる。 ①権利能力なき社団 ②一般社団法人 ③公益社団法人 ④会社 社団とは特定の目的のためにされた人の集合体である。 法人格をもたない、社団を権利能力なき社団といい、一般的…

【民法】意思表示の発信と到着

意思表示の通知は原則として到着をもって効力を生じる。ここでの到着とは相手が実際に了知することではなく、相手の支配下に入り、了知し得る状態になることをさす。したがって、通知郵便がポストに入っていたり、家族(幼い子供などは除く)が受領した場合も…

【民法】同時死亡の推定

事故などで、ある親族関係にある者がほぼ同時期に死亡し、その前後がわからない場合がある。 例えば、飛行機事故で父と子がほぼ同時に死亡したとする。すると、相続上、父が先に死亡したなら、その配偶者と子が相続した後に、子の死亡により、子の配偶者やさ…

【民法】不在者の財産管理と失踪宣告

不在者の財産管理は本人が生きている、若しくは生死不明の時に請求することができるが、不在状態が続くと不在者の財産の処分やその配偶者の婚姻に問題が生じるため、利害関係者の請求により失踪宣告をして死亡したとみなすことができる。 生死不明の時のみ請…

【民法】住所と不在者

生活の本拠地を住所として、住所がない場合は居所を住所とみなす。また、仮の住所をおくくとができる。 さて、ある者が居所不明となった場合、その財産管理が問題となる。 ①死亡しているのが明らかな場合 →相続の問題 ②生死不明な場合 →不在者の財産管理を請…

【民法】通謀虚偽表示における絶対的構成と相対的構成

絶対的構成 第三者や転得者に一人でも善意がいた場合、原所有者と最終的な転得者では後者が勝つ。 早期の法的安定と、第三者が善意である場合、保護をしなくてはならないからである。 絶対的構成が判例及び通説となる。 相対的構成 第三者や転得者ごとに保護…

【民法】賃借権の物権化

例えば賃借人Aが賃貸人Bより、Bの所有物である家屋を借りていたとする。BがCに当該家屋をCに売却した場合、Cは所有権に基づきAに立ち退きを要求することができる。 Aのもつ賃借権は債権であるのに対してCのもつ所有権は物権であるので、後者の方が対抗上優越…