不動産に物権変動が生じると、登記請求権と登記引取請求権が生じる。例えば譲渡契約であれば、譲受者に登記請求権が、譲渡者に登記引受請求権が生じるのである。
登記請求権には三種類がある。
①物権的登記請求権
所有権などの権原に基づいてする登記請求権。
②債権的登記請求権
売買などの債権関係上の義務としての登記請求権。したがって、時効取得など債権関係がない場合は生じない。
③物権変動的登記請求権
a→b→cと売買による物権変動があり、cにまで登記ぐなされている場合、a→bが脅迫により取り消された場合、bはcに抹消登記請求権を得る。bに所有権はないので物権的でもなく、抹消登記請求は債権関係にあるわけでもなく、上記のようなケースを説明するための概念。
ただし、上記のような物権変動の過程がなくてはならず、二重譲渡の場合などはあてはまらない。