意思表示の通知は原則として到着をもって効力を生じる。ここでの到着とは相手が実際に了知することではなく、相手の支配下に入り、了知し得る状態になることをさす。したがって、通知郵便がポストに入っていたり、家族(幼い子供などは除く)が受領した場合も了知し得る状態となる。
また、不在連絡の度重なる無視や配達員からの受け取り拒否など、正当な理由なく通知の到着を妨げた場合は、本来受領できた時に到着したとみなされる。
さらに、表意者が発信してから、死亡したり、制限行為能力者若しくは意思無能力者になった場合はそれにより、効果の発生は妨げられない。
なお、意思表示の通知をするべき相手方の居所が不明な場合は裁判所の掲示板に公示され、その旨が官報若しくは役所の掲示板に掲示される。官報若しくは役所の掲示板に掲示されて二週間が経過すると、その時をもって相手に通知が到着したとみなされる(公示送達)。
到着主義の例外として発信主義をとるのが制限行為能力者に対する催告の返答である。しかるべきものに同意をもらう催告であるが、返答がない場合は
①未成年、若しくは成年被後見人
受領能力そのものがないため、拒絶でも追認ともみなされない。
②①以外の制限行為能力者
拒絶したとみなされる。
③法定代理人、保佐人、補助人、制限行為能力を回復した本人
追認したとみなされる。
④監督人つきの法定代理人、保佐人、補助人
拒絶したとみなされる。
と場合により結果が異なるため注意。