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【民法】制限行為能力者と受領や承認

 〈債務の承認と制限行為能力者

 消滅時効において、債務を承認すると時効は更新する。また、原則論として債務の承認は制限行為能力の影響を受けないものではある。

 しかし、未成年や成年被後見人についてはそもそも財産管理権そのものがないため、債務の承認ができないと解釈される。親権者や後見人は少なくとも財産管理をする権限を有する。

※親権者や成年被後見人は常に監護権と財産管理権をもつが、親権者において、審判にて財産管理権がない者がある。未成年後見人は親権者がいない場合だけでなく、このような場合でも審判される。

 ただ、被保佐人や被補助人については、本来的に自己の財産管理権をもっており、13条1項の行為でさえ、処分に保護者の同意がいるといえども、少なくとも管理はできる状態にあるのである。したがって、被保佐人や被補助人にした債務の承認は有効である。なお、被保佐人については判例も肯定している。

 

 〈準法律行為と制限行為能力者

 意思表示を基礎としている法的行為を法律行為と言い、意思表示を基礎としていない法的行為を準法律行為という。前者は契約や単独行為、合同行為である。後者は、代理権授与通知や債権譲渡通知などの観念の通知や、催告など意思の通知が代表的である。

 そもそも制限行為能力者のうち、未成年や成年被後見人は意思表示の受領能力はないとされる。したがって契約の申し込みがあっても、決して単独では承諾することができない。

 意思の通知である催告については、やはり未成年や成年被後見人には受領能力はない。したがって何ら法的効果はないのである。一方で、単独で不完全ながら受領能力のある被保佐人や被補助人に保護者の同意をもらうよう催告をすることは可能である。ただし、確答がない場合は制限行為能力者保護のため、追認拒絶したとみなされる。