公共の福祉につき、3つの学説を説明する。
①一元的外在制約説
この種の議論の最も古い学説であり、公共の福祉を理由に外的に制約が可能であると説明する、為政者にとって都合のよい説。
12条や13条の文言を論拠とし、22条や29条は重視しない。
容易に人権を制約されやすいという批判がある。
②内在・外在二元的制約説
22条と29条を重視し、経済的権利や社会的権利には外在的制約を許容するが、それ以外は内在的制約となる説。
12条と13条を重視していないため、包括的基本権に基づく新しい権利や側面により意味が異なる権利について説明できないという批判がある。
③一元的内在制約説
すべての権利は内在的に公共の福祉により調整されうるとする説。その程度や内容は状況や性質によるとされる。したがって、規制内容について曖昧であると批判がある。
なお、学説上の通説ではある。