行政権は内閣に属すると端的に規定する憲法65条であるが、果たして「独立」して特定の行政を司る、独立行政委員会は合憲と言えるのかという論点がある。
独立行政委員会は、例えば、人事院や国家公安委員会、中央労働委員会といった組織で、国家行政組織法上、内閣に連なり、その所管の合議制組織である。よって、内閣が任命権と予算管理権をもつが、あくまでも独立の組織である。
①独立行政委員会は内閣のコントロール下にあるとする説
これに立脚すると、その根拠は内閣の委員任命権や予算権限となるが、これを言ってしまうと裁判所もおなじなので、司法権は独立していないことになり、無理がある。
②国会によるコントロールがあるという説
議院内閣制により、内閣は国会に行政権行使の責任がある。間接的に国会が関わることにより民主的コントロールがされているので合憲とする。
③そもそも特殊性に鑑みて内閣から独立しているという説
憲法65条は単に行政権は内閣に属すると端的に記載があるだけで国会は「唯一の」立法機関、司法権は「すべて」裁判所に属すると言った限定的な文言がないため、多種多様な行政権のあり方を鑑みて合憲という説。そもそも内閣のコントロールが必要ない。
資格試験でそれぞれの特徴を比較した問題がでるかもしれないので、注意。